注目キーワード

塔(The Tower)

このカードには、落雷を受けた等から男女が墜落していく様子が描かれています。塔は人工的な力を表し、落雷は自然の力を表します。どちらの方面でも免れない衝撃的な現象が起こることを示唆します。男女が落ちていることから、異性問題や男女間のトラブルも暗示します。

キーワード

正位置 – Upright –
アクシデント/災害/大喧嘩/転落/堕落/倒産/破産/危機/危険/障害/怒り爆発/ショッキング/青天の霹靂/急激な変化/分裂/激変/浄罪/転覆/損失/不意の災害/事故/思い上がり/ショック/性的刺激/傲慢/新しいスタートのチャンス/中止/破壊/破滅
逆位置 – Reversed –
破壊/危機/緊迫/没落/破綻/圧迫/不穏/揉め事/危ない/下落/崩れ始める/悪いきっかけ/大惨事/トラウマ/衝撃/敗北/排除/事故処理/スキャンダル/権威の失墜
英単語
Change. Forced change. Freedom. Breakdown. Ruin. Fight. Upsets. Catastrophe. Destruction. Break up of constricting convictions. Arrogance. An unpleasant and unwelcome person. An intrusion on a complacent existence. Intolerance. Disappointment. Chance for a new start. Liberation. Enthusiasm. Complete and sudden change. Continued oppression. Living in a rut. Inability to change.
人物像
雷のような衝撃とともに突然やってくるトラブルメーカー。

ケース別キーワード

case正位置逆位置
恋愛恋人と喧嘩する/恋人との別れや終わり/突然の別れ話にショックを受ける/刺激的な恋を経験する/望まない妊娠/浮気や不倫がバレる/恋人から衝撃的なことを告げられる/修羅場の予感/相手のトラブルに巻き込まれる 関係を修復することはできない/ハニートラップにかかる/喧嘩の影響をひきずる/相手の浮気が発覚して信頼関係が崩れる/性的快楽の絶頂を味わう/過去の過ちへの後悔/相手に欠点が浮き彫りになる
仕事リストラされる/会社の業績が突如悪くなる/景気の影響による業績悪化/組織的な不正が暴かれる/建築関係の仕事/プロジェクトが突如中止になる/パワハラによるダメージ/アウェーな部署への移動/再構築の必要性 お客様との信頼が崩れる事件発生/スキャンダルで社会的制裁を受ける/不祥事の連鎖/組織が解体され地位を失う/倒産の危機/経営破綻/旧体制の崩壊/人からのとばっちりを受ける/取引先の災難をかぶる
その他突然の悟り/予期せぬ出来事/窮屈なところからの解放/手遅れになる前に行動/今までの努力が水の泡/信念が崩壊するような出来事/秘密にしていたことがバレる/劇的な変化/建物や建築物/信じられない出来事/今まで努力してきたことが一瞬で崩れる/突発的なアクシデント/無駄な抵抗はしないが吉/不可抗力での災難/旅行の中止 苦悩を伴う変化/心が乱される知らせ/突然の出来事に動揺/発想の転換/ショックを受ける/巻き込み事故/トラブルに巻き込まれる/ショックから立ち直れない/建物に関する問題が解決できない/手術後の回復に時間がかかる/信頼の修復が困難な状況/課題を先送りにしてきたツケ/問題が露呈していい方向へ

正位置での意味

塔の正位置は、避けることのできない不運やアクシデントに巻き込まれたり、衝撃的な出来事を目の当たりにする可能性があることを示唆します。その出来事は、現状の生活習慣や考え方、将来の計画を見直す必要があるために起こったのかもしれません。状況を見直し、場合によっては精算することも視野にいれることが必要です。

対人関係が悪化して立ち直れないようなダメージを受ける可能性もありますが、一見不運に見える状況や出来事には、新しい道へのきっかけも含まれています。一からやり直すことを念頭においた決断が求められます。

円満だと思っていた家庭や恋愛関係、順調に進んでいると思っていた仕事や計画など、あらゆる面で事態が一変するような事件が起きるかもしれません。それによって、精神的なショックを受けるでしょう。しかし、今まで築き上げてきた自信や信頼が崩壊したとしても、ピンチはチャンスにもなり得ます。これを機に、発想の転換ができれば、後々の成功に繋げることができます。

あるいは、あなたを閉じ込めたり制限していた固定観念から解放されることを表します。自らが行動に出ない場合は、変化をせざるを得ない状況へ強制的に追い込まれます。このカードは、成長を妨げてきた古い習慣や価値観を放棄しなければいけないことを暗示します。予想外の出来事は、一時的に落胆するかもしれませんが、長い目で見ればいい方向へ向かいます。

リーディング例

愛に関して占った場合
塔の正位置は、浮気や不貞行為がバレることや、ライバルの出現によって修羅場になることを暗示します。あるいは、誤った考え、古い習慣パターン、およびパートナーとの関係が時代遅れであり、それを打壊する必要があることを示唆します。また、関係の崩壊や大きな変化が必要であることや、ふたりの関係性になんらかの危機が差し迫っていることを暗示します。もし悪縁を断ち切ることができたなら、そのことで事態はいい方向へ向かいます。自分の恋愛観を覆すような相手との出会いや、ささいなことがきっかけで大喧嘩することも暗示します。
勉強や仕事に関して占った場合
塔の正位置は、今まで自信を持って取り組んできたことで失敗をしてしまったり、職場で嫌なことが起きることを暗示します。突然の失業、または職場の変化を表す場合もあります。あなたはショックを受け、人生の基盤が揺らぐ感覚を覚えますが、この出来事はあなたを閉じ込めていた場所から開放させるために必要なことだったのでしょう。前向きにとらえることができれば、これを機に新しいスタートが切れる可能性を表します。衝撃的な出来事は、これまでの古い価値観ややり方を一度”破壊”することで、新しいものを取り入れるために必要なことだった、と思うようにしましょう。
お金に関することで占った場合
塔の正位置は、これまでのやり方が通用せずに資産状況が傾くことや、あなたの財政が大きく変化することを告げます。予期せぬ損失や挫折により、お金に対する態度を改める必要がありそうです。このカードが出たら、いつのまにか破綻への道を進んでいて「気づいたときには遅かった。」といった出来事を経験するかもしれません。あるいは、資金調達が困難なことを表すこともあります。また、富、地位、所有物、など物質的なことに対する執着や責任から解放される出来事も示唆します。

逆位置での意味

塔の逆位置は、潜在的な問題が明るみになり、大変な事態に発展することの警告や、問題を先送りにしてきたことに対するしっぺ返しがあることを暗示します。あるいは、自分の落ち着きの無さが原因でトラブルになってしまう可能性もあります。もうごまかしが効かないところまで状況が悪化しているため、逃げようがありません。解決するための道を探るために全力を注ぎましょう。状況は困難ですが、解決の余地は残されています。

あまりに困難で収集の目処が立ちそうにない状況だとしても、諦めないことが肝心です。ただ、周囲への配慮が欠けやすく、注意散漫になりやすい時期でもあるので、落ち着きを取り戻して的確な判断を心がけましょう。

他にもこのカードは、自分にとって必要な変化に対して否定的で受け入れようとしていないことを表します。起こっている出来事が悲惨で、とてもつらい状況だとしても、その状態からなんらかの学びを得て前進できるときでもあります。まずは、目の前の状況を”受け入れる”ことから始めましょう。

塔の逆位置は、起こってしまった問題に対して粘り強く取り組めば、いい方向へ向かうことができるという意味でもあります。なお、現実的な問題を解決できても精神的ダメージは残り続けていることを示唆することもあります。

リーディング例

愛に関して占った場合
塔の逆位置は、別れを切り出したくなるような事件が起きたり、過去の不貞行為をひきずっていることでふたりの関係性にヒビが入ることを暗示します。冷静な判断ができないがために、取り返しのつかない事態に発展するかもしれません。もしくは、あなたがパートナーとの関係に変化を起こすことに消極的で、結果的に相手から別れを切り出される羽目になる可能性を暗示します。あるいは、不倫が突然始まり、パートナーがあなたの元を去るかもしれません。どちらにせよ、衝撃的な出来事により、幸せだった状況が一変する可能性があります。
勉強や仕事に関して占った場合
塔の逆位置は、業績回復のため直ちに再建策を打ち出す必要性や、組織解体により自分の地位や名誉を失う可能性を示します。あるいは、取引先や、人のトラブルのとばっちりを受けるなど、トラブルに巻き込まれるかもしれません。または、古い習慣や伝統が崩れ去った後も、そのことに執着してしまっていることを意味します。無くなってしまったもの、過ぎ去ってしまったことにしがみついていても、もう元に戻ることはありません。変化せざるを得ない状況を受け入れることで前に勧めます。他にもこのカードは、無理がたたってそのしわ寄せがくることを意味する場合もあります。
お金に関することで占った場合
塔の逆位置は、突然資金不足に見舞われたり、予め損失が出ることを予想できてもその対応策が見つからないなど、発生するトラブルを回避できないことを表します。予期せぬ損失に苦しんだり、自分が持っているものを保持するのに苦労することを暗示します。あなたは起こっている崩壊を受け入れられず、最小限にとどまることを願うしかありません。起きてしまったことはどうあがいても無かったことにできません。そのため、結果への柔軟な対応ができるか否かにかかっています。逆に、衝撃的な変化や事件によりかすかな光を見つけることができ、事件が起こる前よりもいい方へ向かう可能性を暗示することもあります。

カードを読み解くポイント

塔は、青天の霹靂とも言えるような、思いも寄らない出来事を表します。これまで自分がコツコツと築き上げてきたものが崩壊、崩れ落ちることや、突然起こるアクシデントが起こる可能性を示唆します。具体的には、現実的なものが崩壊する意味合いが強く、精神的には今までにない気づきが得られるといった意味もあります。このカードはネガティブな意味として取られることが多いものの、ポジティブな意味で受け取れるケースもあります。その場合、今まで感じていた窮屈な状況から脱出できることや、崩壊により新たなスタートを切れるといった意味になります。

塔は、ときに高すぎるプライドを表すこともあります。プライドをへし折られるような出来事は、とても恥ずかしく屈辱的かもしれません。しかし、そのおかげで自分の過信に気づくことができ、謙虚な姿勢を取り戻せるチャンスでもあるのです。古い習慣や過ぎ去った過去と決別し、もう一度一からやり直せるチャンスを意味するカードでもあるのです。

ひとまず、塔のカードが出たら警戒をするといいでしょう。占った事柄に対して楽観視せず、心を入れ替える必要性があるならすぐに取り掛かるべきです。新たな気持で取り組む覚悟があれば、目の前の問題を乗り越えることができます。

カードの意味を更に深く考察

塔のカードには15.悪魔と同様、様々な深い意味が込められています。このカードはネガティブにとらわれやすいですが、痛みが伴う経験が、人生におけるバランスを取り戻してくれるきっかけになることを表します。

塔は現実レベル「2.女教皇」の下に位置しており、これは「2.女教皇」のヴェールが剥ぎ取られた状態を意味します。また、塔に落ちる稲妻は1.魔術師が受信しようとしていた”神聖エネルギー”を思い起こさせます。このカードで下に転落している男女は青い衣服を来た女性と赤いローブを纏った男性であり、それぞれ「2.女教皇」と1.魔術師のようにも見れます。

塔のカードは、バベルの塔の神話をモデルにしていると言われることもあります。この話は、人間たちが、神の領域に達するほど高い塔を建築しようと計画して建設を始めます。その様子を偵察に来た神は、人間たちの傲慢さと団結力の強さを目の当たりにし、この建築計画が神の存在を脅かすことになりそうだと危惧します。そこで神は、人間たちの共通言語だった言語をバラバラにしてしまい、人間たちを混乱させました。コミュニケーションが上手く取れなくなってしまった人間たちは、いつの間にか団結力を失ってしまし、塔の建築を断念してしまう。というストーリーです。

この神話の他にも、塔のモデルとなった有力な説があります。それは、中世からルネサンス期の神秘劇に出てくる一場面です。舞台セットには、人間の魂を焼く塔があり、地獄の入口とされる悪魔の扉があります。キリストは魂を救うために悪魔の扉を封鎖し、悪魔を退治します。このストーリーを塔のカードと照らし合わせてみると、いくつもの酷似点が見つかります。雷はキリストの襲来を意味するとして、他にも「入り口のない塔」や「塔から火の粉が飛び散っている様子」などなど。また、塔のカードにはもともと「悪魔の家」と「神の家」という2つの意味があるとも言われており、この神秘劇の一場面がモデルになっているとすれば、納得がいきます。キリストの襲来により悪魔の塔が神の塔になるからです。

それはそうと、神秘主義者たちは、啓示というものは稲妻のように訪れるとも言います。啓示は衝撃的に物質世界の幻想を破壊します。真の悟りとは、どんなに長く瞑想してもオカルト的な訓練を積んでも徐々に学べるようなものではなく、突如として訪れるものなのです。ただし、突如として訪れたときに準備ができていないものは精神的に大きなダメージを受けたり、突如として起きた出来事を受け入れることが困難な場合があるのです。

ユング心理学的に解釈する場合、堅個な塔は、社会的な役割や価値観に囚われすぎて、精神的な動きを無視していつのまにか抑圧している状態を示すと見れます。そこからの転落がこのカードの意味を表すのです。仕事人間だった人が恋愛に溺れてしまうことで自分をコントロールできなくなり、社会的な立場を失ってしまうといった例が当てはまるでしょう。しかし、そのことで今まで気づけなかった自分の無意識に目を向けることができて、新しい人生が始まるのなら、塔のカードが出たことを悪いことだと解釈しなくてもいいのではないでしょうか。

現代において、この塔のカードの絵柄を繁栄している出来事といえば、9.11の貿易センタービルのテロ事件でしょう。貿易センタービルはまさに経済の象徴です。(もちろんテロを神の啓示だとは思わないし許されざる行為なので、一緒にするべきではないのですが、部分的な意味でかいつまむと…)崩壊するはずがないと思われているものが崩れてしまう現実を思い知らされた事件でした。また、3.11の原発事件も同様のことが言えるでしょう。

ウェイト版の絵柄から読み解く

描かれている「塔」は物質主義によって創られた固定観念を表し、稲妻は神からの啓示を表します。

地上に転落していく男女は、権力の象徴である王冠やマントを身につけています。人間が作り上げた現実世界における権力や、傲慢な精神は失落することを意味しています。

塔のてっぺんには雷によって落とされる王冠が描かれています。これは、人間の見栄や虚栄、権力を象徴しています。頂点に上り詰め安心しきって高みの見物をしていると、思いがけない知らせや現象があなためがけて降りかかり、失落することを表しています。

天から落ちる雷は、パッと見恐ろしい印象を受けますが、これは衝撃的なインスピレーションやひらめきを象徴します。このひらめきは、今まで正しいと思い込んでいた固定観念を手放すきっかけをくれるでしょう。その啓示を勇気を出して受け入れるのか、怖がって今までの固定観念にしがみつくのかで”雷”の意味あいするものが違ってくるでしょう。

雷から飛び散る火の粉は、ヘブライ語で神の名前の最初の文字「ヨッド」に似た形となっています。これが意味するのは、雷は怒りではなく恩寵(おんちょう)です。この火の粉を数えると、両側に10個と12個の合計22個になることがわかります。これは大アルカナの枚数と一致します。東洋も西洋も、空間が10つ(陰陽五行)、時間が12つ(12星座・12支)でこの世は成り立っているとしています。また、「22」という数字は、カバラ数秘術においては生命の樹を構成するつなぎの部分、「パス」の数です。これは、塔を破壊した雷は、神によって落とされたものだということを示ます。