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死神(Death)

このカードには、骸骨の死神が描かれており不吉な印象を受けるかもしれませんが、物事の終わりや変化の兆しを知らせるカードです。新しい自分へ生まれ変わることを意味するので怖がる必要はありません。「終わること」は自分の成長に必要な通過点なのです。

キーワード

正位置 – Upright –
終幕/終末/終焉/精算/停止/中止/新世界/推移/変質/変容/変換/大きな変化/復活/繁殖/発芽する芽/潮時/衰弱/ターニングポイント/死と再生/突然の変化/移転/転機/転換/始まりと終わり/諦める/終わり/エンディング
逆位置 – Reversed –
再生/繰り返す/緩やかな変化/首の皮一枚/まだ終わらない/移行/縁が切れる/違う世界/腐敗/停滞/先延ばし/発芽しない芽/眠り/不動/無気力/未練/時間がかかる/惰性/怠惰/違う世界/意気消沈/退屈
英単語
The end. Metamorphosis. Transition. A boundary reached. Transformation. Passage of time. An ending. Clearing away the old to make way for the new. Sacrifice. Loss. Loss and rebirth. A familiar situation or friendship ends. Stagnation. Separation. Immobility. Inertia. Taxes.
人物像
悲しみや死を感覚で理解し、孤独と夜を愛する人。

ケース別キーワード

case正位置逆位置
恋愛別れ話が出る/別れることでもっといい縁を引き寄せる/揉めることなく綺麗に別れられる/円満離婚/前向きな別れ/自分とは住む世界が違う相手/遠距離恋愛になる/別れた後の新しい出会い/失恋や心変わり/今までの関係に変化 恋が終わった/これ以上の進展は見込めない/自分とは違う世界の人に片思い/連絡が取れなくなる/別れて次の恋を考え出す/ずるずるとした関係が続く/偶然の再会/急な破局/前の恋愛を引きずって次に行けない
仕事見切りをつけて縮小の方向へ向かう/海外に関わる仕事/仕事に対するモチベーションの低下/出張の多い仕事/転職をする/今の職場に見切りをつける/計画や契約が白紙に戻る/転職や再出発でうまくいく/ピンチがチャンスに 現状維持よりも辞める決断が必要/仕事を一旦辞めて次のことを考える/海外で仕事を探す/辞めたくても辞められない/現状維持はマイナスになる/歯止めが効かずチャンスを逃す/やりたいことを考え直す時期
その他悪いことが終わる/完全なる変化/逃げられない終わり/生と死の自然なサイクル/痛みを伴う別れ/未知のものと向き合う/終焉を迎える/過去を精算する/無駄を排除する/心からの開放/避けられない変化/古いものを片付け、新しいものへの道を作る/区切りをつけて再スタート/白紙に戻してやり直す 手放すことを拒む/過去へのこだわり/必要な変化へ抵抗する/未知の世界に恐怖を感じる/時間が過ぎていく/結果が出るまで時間がかかる/無気力になる/やる気を無くす/なかなか決心がつかない/思い切った転換が吉/どっちつかずに警告/まだ先の展開は見えない/断念したことに新たな展開/踏み出す勇気が必要

正位置での意味

死神の正位置は、終わらせること・中止すること・精算することで再スタートを切ることができ、より高いステージへ上がっていけることを意味します。今までの状態を一旦白紙に戻すことで、悪しき習慣や古い価値観を捨て去ることができます。必要ないものは去り、必要なものだけを次の世界に持っていけるのです。

人との縁においても、切れる縁と継続する縁、新しい縁が出てきます。一掃することに関して、あなたは寂しさや将来への不安を感じるかもしれません。しかし、再スタートを切るチャンスでもあります。再スタートを切ることで道が拓ける時なので勇気を出しましょう。

別れや終わりを決断することは、自分に対するけじめでもあり、心を強くもたないとできません。かといって楽な方に流されて変化を拒んでいると、成長できないまま無駄な時間が過ぎてしまうだけです。このカードは、未練を断ち切り、未来を信じて変化を受け入れることの重要性を示唆します。

今までうまくいっていたことがうまくいかなくなりだしたり、失敗が続くような状態なら、負の連鎖を断ち切るためにも終わらせることを決断しましょう。大きな変化は多かれ少なかれ、無意識にストレスを感じてしまうものです。ストレスから来る体調不良に気をつけるべき時期でもあります。過渡期をすぎれば、新しく生まれ変わった自分に出会うことができます。

リーディング例

愛に関して占った場合
死神の正位置は、別れを経験した後に新しい出会いが巡ってくることを意味します。きっちり縁を切ることで新たな出会いに恵まれる暗示です。あるいは、あなたがうまくいくと信じていたことが通用しなくなってきたことを示しています。パートナーに対しての態度を改めるべきなら、この機会に取り組みましょう。他にも、単純に失恋や心変わりを暗示することもあります。このカードは、お互いのためにも、マンネリ化して生産性のない関係に終止符を打つことをすすめる場合もあります。もしくは、転職や転勤など環境の変化によって遠距離恋愛になることを示唆することもあります。
勉強や仕事に関して占った場合
死神の正位置は、あなたのキャリアパスの変化・転職、または仕事場の大きな変化を象徴します。あなたの可能性にブレーキをかけていた古い習慣ややり方は、新たな成長の機会を作るために崩れ去ります。または、計画や契約が白紙に戻る可能性を示唆することもあります。一方、思い切って方向転換することでチャンスを掴む暗示もあります。うまくいかないことが逆にチャンスになることを表します。死神は、前向きな意味を見出すことで、勇気や活力になるカードです。
お金に関することで占った場合
死神の正位置は、お金に対する古い習慣を手放すことや、過去に築いた資産の取り扱い方法を変える必要があることを暗示しています。あるいは、1つの経済的努力の終わりと新しいチャレンジの始まりを表すかもしれません。また、思っていた収入がなくなってしまったり、収益が思うように上がらないなど、期待通りの展開が難しいことも表すでしょう。従来のやり方ではうまくいかなくなるので、発想の転換を求められます。

逆位置での意味

死神の逆位置は、結果が出るまでにはまだ時間がかかることを暗示します。そのことを認識して焦らないように、と伝えています。あるいは、変えなければいけないとわかっていながら、気持ちの踏ん切りをつけられずに中途半端なことを続けてしまっていることに警告しています。このまま必要な変化を先延ばしにしていると、選択肢がなくなり、状況が悪化してしまいそうです。逃げ回っていても時間を無駄に消費してしまうだけです。まずは意識を転換させ、新しい道を模索してみましょう。

また、死神の逆位置は、やる気が起こらないことや、無気力な状態がズルズルと続いてしまっていることを表す場合もあります。変化がないことでマンネリしているにも関わらず、そのことに向き合おうとしないことが原因でしょう。自分が変わらなければ状況も変えられません。まずは自分の考え方を見つめ直してみましょう。古い習慣に執着していることで衰退の道をたどります。

このカードは、マンネリしたつまらない毎日を生み出しているのは、自分の惰性が原因であることを受け入れて、古い価値観ややり方を捨て去る必要があることを告げています。そうしないと自分の成長は止まったままです。

変化を受け入れず、現状維持を続けていたとしても、状況の悪化による強制的な変化が訪れることになります。

リーディング例

愛に関して占った場合
死神の逆位置は、恋愛に向き合い、変化するための努力を怠ることで、マンネリや、無気力な関係から脱することができない状態を暗示します。また、恋愛に関するなにかしらの悲しい経験をする暗示もあります。このカードは、あなたが失恋をいつまでも引きずっていて、前に進めないことを示唆することもあります。あるいは、良くも悪くも状況が急展開することを示唆します。他にも、偶然の再会や、唐突に別れを告げられる、などが考えられます。
勉強や仕事に関して占った場合
死神の逆位置は、変化することへの不安や恐れが、新しいチャレンジの足かせになっていることを表します。結果的に行き詰まりを感じてしまいそうです。あるいは、思いがけない忙しさに慌てふためいていることを示唆します。もしくは、本当に自分がやりたい仕事をやれているのかを考え直す機会が訪れることを表します。他にも、仕事に対するマンネリを打開しようとしたことが裏目に出てしまわないように気をつけたほうがいい、と警告する意味もあります。このカードは、病院、葬儀事業、不動産計画など、死を伴う仕事を象徴します。
お金に関することで占った場合
死神の逆位置は、不利益な資産なのに手放すことを渋っていることや、恐怖心がチャレンジすることにブレーキを欠けていることを意味します。自分が想定していたような利益は得られず、思うほどプラスにならない資産状況なので、今は大きくしようとせずに現状維持を心がけるのが無難です。堅実さを心がけていればマイナスにはならないでしょう。また、このカードは、無責任なお金の管理があなたの資産状況の衰退を招く危険性があることを伝えています。あるいは、財政面を案ずるあまり、変化を受け入れられず拒み続けていることを表すこともあります。近い未来、思わぬ出費や支出があるかもしれません。

カードを読み解くポイント

死神は、物事の”死”や”終了”を意味するのと同時に”誕生”や”始まり”も表します。これまでとは違うサイクルで世界が新たに創られていくことを象徴します。今、大きな変化が起ころうとしていて、これまでのやり方は通用しなくなります。そのため、価値観や物の見方を変化せざるをえなくなります。古い自我をここで捨てきれないと、新しい世界に順応できず固まってしまうでしょう。人によっては辛く厳しい状況に感じるかもしれませんが、新しい自分に生まれ変わるためには必要なことだと受け入れるべきです。

また、今まで積み上げてきたものや所有しているもの、仕事や恋人や家族…何かを失ったり別れを選択しなければならないかもしれません。でもそれは、同時にあなたが更に飛躍できることを意味しています。流れが大きく変わることは、新しい自分に生まれ変われるチャンスでもあります。一時的な苦しみや恐怖を感じでも、前に進むにつれて、その変化の意味を知ることになり、感謝の気持ちも芽生えてきます。「あの経験があったから今の私があるんだ」と。

死神は何かを手放すことの重要性を伝えるカードです。

カードの意味を更に深く考察

”死”は絶対的な平等性を持っています。強者であれ弱者であれ”死”によって人生に終止符を打つことができます。自我が強い人ほど死を恐れる傾向があります。人々は死を恐れるあまり、死に対する意味や理由を探して心の平穏を保とうとします。キリスト教では”死”は魂をこの世で燃やし尽くした結果、来たるべき時に地上で神様と一緒になれる瞬間だとしています。魂を罪深い肉体から解放するためのもので、とても神聖で喜ばしいことだと説いているのです。死を受け入れて恐れないために様々な信仰があります。例えば、来世を信じることで死への恐れを克服しようとする人もいます。また、死んで肉体が朽ちたとしても自然に還ることができると信じる人もいます。ただし、”自然に還る”ということは、同時に他の生物の栄養源となることも意味します。これは、死人に化粧をして生きているかのような細工をしたり、埋葬する際に金属の棺に入れたりして朽ちた肉体を自然と同一化させないようにする行為と矛盾した信仰ですね。この矛盾した行為は、”死んでも肉体と自然を分離させたい”という人間の本心(自我)からくるものです。死んでしまえば、その後自分の肉体がどうなるかなんて知るよしもありませんが、人間の自我というのは「この世界の生命体の中で最も優位な立場でありたい」ということを常に求めてしまうのです。

自我があることで、死を受け入れることができず、エネルギーを解放しないで溜め込もうと必死になります。人間は、エネルギーを開放して”0”になることを最も恐れます。しかし、古いエネルギーが入っている状態では新しいエネルギーが入る余地はありません。例えるなら、パニックに陥った人が息を必死に吸い込もうとして過呼吸になってしまうのと同じです。心を落ち着かせて息を吐き出すことができれば、過呼吸にはならないのです。

人間が「無」の状態(0.愚者)になることを恐れて拒んでしまうのは自我があるからです。これを悪いことと言っているわけではなく自然なことだと受け入れるべきでしょう。なせなら、積み重ねてきた習慣が自分を形成していて、その自分が無くなってしまったら、全てが無駄だったようにも感じてしまうからです。加えて、また0から新しい自分が創られるのか、どんな自分になるのか保証もないし想像もできないと考えてしまい、怖がるのも無理はありません。

ちなみに、死神のカードナンバー”13”は不吉な数字とされています。不吉とされた説は様々ですが、最後の晩餐において13人目の人物がユダであったことも有力な説の一つです。加えて、キリスト教が金曜日に死んだことで”13日の金曜日”は不吉とされていますね。(映画の「ジェイソン」も13日の金曜日に表れます。)他にも、”12”が完全なる数字(1年の単位や割り切れる数が多い)とされているのに対して”13”は調和を破壊する数字(13は1と13でしか割れない数であり他の数字で割り切れない)と言われています。しかしながら、12の完全性を破壊することで新たな世界を作り出す数字とも言われているのです。

13という数字は「1」と「3」を足すと4.皇帝になります。”死”を経験することで”社会的”な自己を超越することを意味します。

ウェイト版の絵柄から読み解く

死神のカードの背景には二本の柱と、その間から登る太陽が描かれています。これは、二元性から生まれる”自我”を背負い、経験したことがバラバラになり”死”を経験することで、純粋で生命力に満ちたエネルギーが新たに誕生することを意味しています。背景の町並みは、死者の国を連想させるものです。

カードの中央には川が流れています。この川は3.女帝と同じく変化が耐えないことで川としての形が永遠に続いていくことを意味しています。川は海につながっていて、宇宙と同じく”無形”であることを表します。川の上に浮かんでいる船は”死”により新しい命が運ばれていることを意味しています。

死神が持っている旗は勝利の象徴です。”死”に対する恐怖を克服して打ち勝つことができたことを示します。白いバラは生と死の神秘を象徴していて、自我が死ぬ時に純粋な心へと浄化されていくことの現れです。

下に倒れている裕福そうな人は、自我が強すぎて硬直してしまっています。司祭らしき人物は死神と向き合っていて、信仰性の高さが手伝って”死”を受け入れることができているようです。少女はひざまずき、顔を死神からそむけています。これは、不完全な純粋さにより”死”を受け入れがたい様子を表しています。幼女は完全なる純粋な心により無条件に”死”を受け入れているようです。

死神がまとっている黒い鎧と白い馬は、葬式でよく用いられる2色ですが、白は”純粋”以外にも”無”や”0”を表します。黒は「生命の終わり」「結果がでる」という意味があります。