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正義(Justice)

このカードには、剣を掲げる正義の女神が描かれています。原因と結果、罪と罰など2つの言葉の調和と因果を表します。人にとっての正義はそれぞれ違い、何を正義とするのかは難しいところです。正義を判断するために大切なのは、第三者の視点に立ち、公平さやバランスを取るためにどうすればいいかを冷静に見極めることです。

キーワード

正位置 – Upright –
決断/裁判/両立/バランス/中庸/誠実/責任/正しさ/原因と結果/公正/秩序/人間関係/均衡/正義/平等/人権/法律/合法性/寛容/法廷/公平/倫理/カルマ/道徳規範/法的事項/自業自得/合理的/注意深い
逆位置 – Reversed –
不平等/不誠実/責任転嫁/優柔不断/えこひいき/板挟み/不安定/アンバランス/両立不可/公私混同/偏愛/偏見/不寛容/偽善/理不尽/無責任/不道徳/先入観/不公平
英単語
Reasonableness. Rectification. Decision. Justice through knowledge of a higher order. Balance. Harmony. Equity. Diplomacy. Arbitration. Legal matters. Union of opposites. Righteousness. Virtue. Honor. Kindness. Finding balance. Charm. Attractive person. Just reward. Dignity. Equilibrium. Poise. Impartiality. Bias. False accusations. Prejudice. Severity. Intolerance. Unfairness.
人物像
偏見を持たずに広い視野で不正を正す正義の人。法律家。

ケース別キーワード

case正位置逆位置
恋愛自分と釣り合う相手/相性のいい相手/結婚前提の付き合い/お見合い結婚/家柄が似ている相手/正統なお付き合い/信用できる相手/バランスの取れた関係/公認の仲/落ち着いた穏やかな関係 育ちや価値観が異なる相手/ギブアンドテイクが成立していない関係/不釣り合いな関係/信用できない相手/非常識な恋愛/法的に問題のある関係/背伸びをする/無理のある恋愛/性格の不一致
仕事法律関係の仕事を表す/公的機関で働く/正社員として働く/仲介業/成果と報酬が見合う/契約が成立する/行政に関する仕事/正しい判断ができる/安定した業績をキープ/誠実な態度で信頼を得る 客観的な判断ができず失敗する/立場が違いすぎるビジネス相手/社会的倫理から外れる取引/成果に見合わない報酬/共同開発が行き詰まる/他者との価値観に違いが生じる/サイドビジネスによる失敗/不利な状況を提示される
その他正義に左右される/常識やモラルをきちんと守る/倫理的思考/客観的な視点を身につける/判断を下す/法に基づいた裁き/合理的に考える/バランスを取る/中立を取る/理性的な判断がいい結果をもたらす/人間関係の調和/良い行いがいい結果を生む/偏見や誤解のない自由な考え 一貫性に欠いている/法制度の乱用/法的なもつれ/法定による不利な判決/自分の行動に責任を取らない/バランスが取れない/理性と感情のアンバランス/人間関係で板挟みに合う/理不尽な出来事/正義を見失う/格差による誤解やすれ違い/状況が不透明/結論が出せない/事実誤認による判断ミス

正位置での意味

正義の正位置は、モラルや常識を守ることが大事だと伝えています。公平で平等な対応を心がけることで信頼が得られることも意味します。あなたは周囲から絶大なる信頼を得ていますので、物の貸し借りをしてもトラブルに発展することはなさそうです。何事に対しても私感を入れず、正確かつ合理的な判断を下すことができます。感情的にならず、常に冷静に物事を見極めることができるでしょう。あなたの言動や普段の行動は、人間関係において「安心して付き合える相手だ」と思わせます。

このカードは、あなたを取り巻く状況が、均衡・バランスの取れたものか?正義に反していないか?を基準に導かれていくことを示唆します。もし法的な問題に関わっているとしたら、正当な判断が下されます。自分に非がある場合は、自分にとって不利な判決になりますが、そのことで自分の心に踏ん切りがついたり、後ろめたさから解消されるなど、納得のいくものになります。

自分の行いを振り返ってみて、後々問題を問われそうな課題があると感じるなら、その課題は今解消するべきであり、そううすることで堂々と振る舞うことができます。このカードは、均衡やバランスを整えるため、帳尻合わせを行うことや”歪を正す”ということを意味します。

また、どんな時であっても油断することなく注意を払い、冷静に対処できるよう心構えをしておくべきだとこのカードは伝えています。今の状況は、過去の行いによって創られた”結果”です。絶対的な公正さを表す正義のカードは、あなたの選択や決断は未来の可能性を大きく変えることであり、そのことを自覚する必要があることを意味しています。

リーディング例

愛に関して占った場合
正義の正位置は、お互いにルールや約束事を決めた上で尊重し合うことができ、交際が長続きすることを暗示します。パートナーとの関係はバランスが取れていることを意味します。ふたりの関係が公平なものかを見直すいい機会であることも表します。誰から見てみても釣り合いの取れたお似合いのカップル、公認の仲を表すこともあります。このカードは、自分にふさわしい相手を見極められること示唆します。結婚などの契約上の合意または法的取り決めを示す場合があります。
勉強や仕事に関して占った場合
正義の正位置は、正しい判断により、成功できることを暗示します。本業と副業の両立がうまくいくことも表します。複数の課題を並行して片付けることができ、安定した業績をキープできるでしょう。このカードは、取引先との友好的な合意や、契約に署名することも意味し、問題を解決できる協力と調和の時間を表すこともできます。公平な分業、責任、および報酬を求めます。誠実な態度で相手の信頼を得ることができるでしょう。
お金に関することで占った場合
正義の正位置は、収入と終始のバランスが取れて、安定した資産が築けることを暗示します。自分に必要な投資を誰かに援助してもらえたり、快適な経済活動ができます。お得な買い物ができたり、思ったより出費が抑えられることも期待できます。財産が公平に分配されるか、公正な金銭的和解に至るなど、法的問題を象徴することもあります。また、富や資産を誰かと共有したり、正統・誠実な手段でお金を稼ぐことも意味します。

逆位置での意味

正義の逆位置は、自分の考えや行動が正統で公平なものか見つめ直す必要があることを示します。偏った考えに気づけないまま焦って行動してしまうと、取り返しのつかないことになります。客観的な視点に立って状況を判断することが大事です。行動を起こす前に、モラルに反さない行動かをきちんと見定めましょう。そして、行動に起こす時期を再検討しましょう。

また、正義の逆位置は、不釣り合いな関係性を示唆することもあります。関わりのある人との関係性は釣り合いが取れているか、価値観の不一致が大きくないかを思い返してみてください。均衡が保てない関係性は、今は良くても後々トラブルの原因になります。長く付き合うことになりそうな人との距離感は適度に保ち、慎重に付き合うことが賢明です。

様々な局面において、判断ミスが起こりやすいことも表します。焦らずタイミングを見計らうことが大事です。場合によっては、一呼吸おいて策を練り直すことも検討しましょう。このカードは、厳しい試練やはっきりしない状況を暗示することもあります。

加えて、物事がバランスを崩していることで、そのしわ寄せが自分に降り掛かってくることを示唆する場合もあります。法的なことでこのカードが現れたら、不利な立場になる可能性があります。あなたが誰かに対して不誠実な態度をとっていたり、えこひいきが過ぎていたり、先入観を持って偏った見方をしていることに対して警告を促すこともあります。

リーディング例

愛に関して占った場合
正義の逆位置は、自分とは不釣り合いな相手に惹かれることや、背伸びをして無理をしていること、最終的にうまくいかない可能性を暗示します。また、パートナーとの関係でバランスが取れていないと感じることもあるかもしれません。あなたと恋人との価値観に大きなズレがあったり、生い立ちや育ちが違いすぎるなど、不釣り合いな関係であることを表すことがあります。あるいは、不倫や浮気がバレて結論が出る、など、モラルに欠いた行為や行動に対して答えを出さなければいけないことを表す可能性もあります。
勉強や仕事に関して占った場合
正義の逆位置は、本業以外の副業やサイドビジネスが上手くいかず、その影響が本業にも出てくる可能性を暗示します。または、共同出資などで不公平だと感じたり、詐欺まがいのことに出くわす危険性もあります。あるいは、職場の不均衡や協力者を得られないことを意味する場合もあります。このカードは、なんらかの事態について誠実な対応をすることの必要性を表します。取引先に対して、障害に関する報告書を提出する必要があるかもしれません。もしくは、あなたが働いている職場に関係する法的問題を示しているかもしれません。
お金に関することで占った場合
正義の逆位置は、法的問題で損失を被ることや、金銭的な決定事項において不公平だと感じることを示唆します。場合によっては訴訟問題に発展しかねませんので注意が必要です。また、誰かに賠償する必要があることを示す場合もあります。あるいは、あなたのルーズさが原因となり金銭的なトラブルが起きたり、お金の受け取りが遅延することを暗示します。詐欺や搾取を見抜けるように、慎重になる必要があります。なお、自分が打算的になることに対する警告も表します。

カードを読み解くポイント

正義のカードは、私利私欲を満たすことを表しているわけではなく、また自己犠牲を表すものでもありません。その場の状況に応じてどちらにも偏らずバランスが取れることを第一に考えることを意味します。争いごとや揉めごとが起きている時にこのカードが現れたら、正しい結論が導き出されることを暗示します。

なお、場合によっては、二者択一の厳しい決断を迫られることも暗示します。中途半端な気持ちでどちらかを選択することは許されません。客観的な視点で選択肢を見つめ、自分にとって今重要な選択肢はどちらなのかを見極める必要があります。どちらの選択肢においても、選択したことで得られるメリット、デメリットは異なります。そういった点も予め認識した上で後悔しない選択をしましょう。勇気を持って出した結論は、後に自分の大きな人生の帰路だったことに気付かされるでしょう。

正義のカードは、どんな立場であってもしっかりと注意を払うべきことを伝えています。目の前で起きていることは起こるべくして起きているものです。そのことを受け入れて冷静に対処できるよう、客観的で合理的な視点を忘れないようにするべきでしょう。

このカードのマイナス面は、相手を批判すること、自分が正しいと思い込んで押し付けることです。人物としては、法律家、批判力のある人、冷静な視点を持つ人、バランス感覚に優れた人です。

カードの意味を更に深く考察

正義のカードは、理解と行動の均衡を示しています。描かれている人物は女性ですが、その女性からはどこか男性的な印象も受けます。裁判官席に腰掛けていますが、今にも立ち上がりそうです。裁判官が腰掛けている椅子、どこかで見たことはありませんか?そうです。現実レベルの列の4.皇帝でも似たような石性の椅子が登場します。実は、精神レベルにおける正義の真上に位置する現実レベルのカードは4.皇帝になります。ウェイト版のカードでこの2枚を比較すると共通点がいくつか浮かび上がります。例えば、どちらも身にまとっている衣服は赤く、カード全体の色使い(暖色系)も酷似しています。この2つのカードに共通するキーワードは「責任」「冷静」「権限」「秩序」「罰を与える存在」です。正義に登場する裁判官が”女性”とは言っても、男性に負けず劣らず、力強い男性性を感じます。社会の不正を法で裁く裁判官は、社会の秩序を創り上げた4.皇帝とは切っても切り離せない関係性だと言えます。

このカードの絵柄は、デッキによっては目隠しをしている女神が描かれています。その”目隠し”が意味するものは、法律は、社会的弱者から社会的地位の高い人まで差別されることなく適用されることの現れです。目に見えるものを裁くのではなく、”心で裁く”ということを象徴しているのかもしれません。

11番のカードである正義は1.魔術師と「2.女教皇」を結びつけるものです。例えば、”11”という数字は1と1の組み合わせで成り立ち、1+1は”2”になります。また、正義の裁判官の背景には2本の柱がそびえ立っており、その柱の間に赤紫のヴェールが垂れ下がっています。これは「2.女教皇」の絵と似ています。加えて、正義の裁判官が右手を天に掲げ、左手を下に向けている姿は1.魔術師のポーズにそっくりです。真の行動は自発的な意識により起こされ、叡智はその行動による経験から生まれます。正義のカードに描かれている絵柄は、生きていく上で1.魔術師と「2.女教皇」が結びつくことで新たな道が開かれることを表しているのです。裁判官の背景に垂れ下がっているヴェールの色が”赤紫”は、男女の混合色でもあります。

次に、正義の直前の10.運命の輪では、無意識下に潜んでいた自己が現れます。思わぬ幸運・出来事に対して理解が追いつかないままその瞬間を楽しみましたが、正義のステージでは10.運命の輪に対して理解が生じています。正義は10.運命の輪を理解した上で判決を下そううとしているのです。過去の行いによって、自分の未来が創られることを理解し、そのことを受け入れることができれば、自分の行動に責任を取るべきだということがわかります。

そうすることで、過去のトラウマや呪縛から自分を開放でき、負のループが繰り返されていたとしたら、このタイミングで断ち切ることが可能になるでしょう。

ウェイト版の絵柄から読み解く

裁判官が手にする剣は、力を表すのと同時に裁きを与えることを象徴します。天秤は、物事の公平さを重視することを意味します。どちらの象徴も、国や人々が正しい道を歩むために必要なものです。

裁判官の後ろにそびえ立つ二本の柱は、陰陽を表します。その間に裁判官が位置しているということは、両極なものの”中庸”を意味します。この裁判官が、中立な立場で偏った見方はしない女性だということを象徴しています。女性の背景は赤紫のヴェールで覆われており、この後、どんな未来になっているのかを見ることはできません。しかし、隙間からは黄金色が垣間見えています。これは、あなたの行いがもたらした結果は、この先続く道に必要だった貴重な経験で、その経験によって新たな世界が開かれることを暗示しているかのようです。

裁判官の頭には冠があります。この冠をよく見てみると、中央部分に四角形の石があしらわれています。啓示タロットの著者「イーデン・グレイ」さんによると、この冠は「聖なる力を内包するもの」だと言います。冠の先端に数字の「3」が描かれており、あしらわれている石が四角形であることには深い意味が隠されています。12.吊るされた男でも解説しますが、「4」は地上や物質(意識)を意味し「3」は精神性を意味しています。次のカード12.吊るされた男との関連性を表す可能性も考えられます。

裁判官の足はローブに隠されており、もう一方の足はローブから外に出ています。これは今にも立ち上がりそうな様子を描いています。赤い衣服は強い意思を表しており、その位置の強さは4.皇帝に匹敵するものでしょう。