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法王(司祭・教皇)(The Hierophant)

このカードには、教会のような建物の中で、一人の男性に導いてもらう2人の人物が描かれており、三位一体を思わせる構図になっています。中央の男性は教会における最高権力者です。この男性は、物質的な安定よりも精神的な安定を部下に説いています。

キーワード

正位置 – Upright –
導き/伝導/援助/寛大/結束/儀式/慈悲/精神的指導者/教育/援助/親切/オーソドックス/秩序/道徳/しきたり/社会性/許容/誠実さ/組織の強固さ/モラル/聖職/心理学/権威/助言/忠実/信仰心/学習/賢明な教え/神との調停/神の啓示
逆位置 – Reversed –
頑固/即物的/尊敬できない/ケチ/不信/分散/与えない/適用外/過剰な親切/ルール違反/譲らない/偏屈/不寛容/独裁主義/服従/傲慢/誤った教え
英単語
Spiritual authority. Intellectual leadership. Initiation. Secret knowledge. Religion. Tradition. Churches, mosques, temples, meditation centers. Humility. Ritualism. Mercy. Compassion. Captivity to one’s own ideas. Institutions. Conformity. Rigid conservatism. A religious or spiritual leader. False guru. Hypocrisy. Hierarchy. Disbelief. Disillusionment. Knowledge that is not backed by experience.
人物像
安定感があり専門的な知識が高い。教師。宗教者。先輩。

ケース別キーワード

case正位置逆位置
恋愛神や周囲に祝福される結婚式/正統な婚姻関係/誰かの紹介で知り合う/結婚相談所で運命の人に出会う/恋人を親に紹介する/良い縁談/結婚に通じる恋愛/神聖なことを信じる相手/協会に通う相手/お見合いや合コンで知り合う/年上の異性 刺激が少ない恋愛/性的な欲望が強まる/いい人だけどときめけない相手/性的な魅力を感じない/結婚の話は進まない/周囲から反対される恋愛/パートナーがいる相手/干渉しすぎる/執着しすぎる/障害がつきまとう
仕事尊敬できる上司と仕事をする/会社の業績が上がる/組織の力が強固/宗教に関する仕事/師弟関係が大事な職場/アドバイザー/老舗の商売/信頼関係による事業拡大のチャンス/採用試験や資格試験での朗報/理解ある上司/社会貢献度の高い仕事 人が育っていない組織/新人教育が必要な会社/組織力の低下/組織の体制が古臭い/違法取引や汚職/利益ばかりにフォーカスしている会社/使えない上司に振り回される/先輩に出し抜かれる/私情を挟んで失敗する
その他伝統的なものの価値を見出す/敬意を表する/目上からの教えがある/真理を探求する/宗教に関わる場所や行事/社会的な承認を得る/信頼できる人からの有益な助言/頼もしい人からの支援/組織に加わる/誠実な態度で窮地を脱する/親しき中にも礼儀あり/有益なアドバイスをもらう/時間をかけて築く信頼/間違いに気づいて正しい道へ 柔軟性が欠如している/抑圧的な信仰教養/かたくなな正統主義/誤った助言を受ける/神聖なものを軽んじる/プライドの高さが邪魔をしている/古い考えを押し付けられる/悪徳集団から抜け出せない/社交辞令を真に受ける/ルール違反やマナー違反/価値観の相違によるすれ違い/気位が高く周囲から浮く

正位置での意味

法王(司祭・教皇)の正位置は、社会活動の中で自分が社会から必要とされ、人々の役に立てることの喜びを味わい、存在意義を見いだせることを示唆しています。”世の中で起こるすべてのことに意味がある”ということを悟り、精神的な学びを得ることができます。約束、規律、時間を厳守することも大事です。

道徳や伝統を守り、日々の生活を丁寧に積み重ねていくことで幸せになれることを示唆しています。特別なことをして自分を周囲に認めてもらおうとアピールしなくても、良い行いや普段の頑張りはみんな知っています。心から自分で自分を褒めてあげることが大事です。そうすることで、自然と周囲に心を開くこともできて、組織の中でより安定した居心地のいいポジションに付けるでしょう。自分は一人ではないことを再確認することで、心の平穏を感じられます。

尊敬し合える仲間と精神的な向上を目指すためには、”間違っていることは間違っている”と認めて素直に正せる勇気と精神力が必要ですが、あなたにはその精神が備わっていることでしょう。

また、より高い精神性を身につけるために、あなたを正しい方向に導いてくれる心強いメンターとなる師が現れることも暗示しています。何か困っていることがあるのなら、周囲を見渡して助けてくれそうな人を探してみましょう。あなたの人生論を覆すような教えを説いてくれるメンターと出会えるかもしれません。

このカードは神聖なる儀式なども意味し、恋愛においては、結婚式を予感させることもあります。

仕事の悩みでこのカードが出たら、頼もしいキーパーソンや尊敬できる上司を表します。その人と一緒に仕事をすることでプロジェクトが成功する暗示です。また、人間社会における精神活動も意味しています。

リーディング例

愛に関して占った場合
法王(司祭・教皇)の正位置は、尊敬が愛情に変わることや、お互い尊敬し合える良好な関係を暗示します。それは、家族や友人からも祝福される関係でしょう。このカードは、仲介人を通じて知り合う可能性が高いので、お見合いや合コン、結婚相談所でいい人が見つかるかもしれません。また、伝統・構造・精神的な道に基づいた関係を意味することもあります。あなたとパートナーは、より精神的な高みを目指して貢献し合えるでしょう。今の関係性はあなたにとってプラスとなっているし、あなたの目標をサポートしてくれるでしょう。
勉強や仕事に関して占った場合
法王(司祭・教皇)の正位置は、人間関係において信頼関係が高まり、そのことでステップアップしたり事業拡大のチャンスに恵まれることを暗示します。仕事で成功したい場合は組織内のルールや規則を遵守しましょう。社会貢献度が高い企業や社会的信頼度の高い職業に就くことも表します。また、安定した企業や宗教組織、教育機関を表すこともあります。このカードは、スピリチュアル的ひらめきや、霊的インスピレーションに興味を示す立場として活躍できることも暗示します。ヨガのインストラクターなども向いています。
お金に関することで占った場合
法王(司祭・教皇)の正位置は、計画的で堅実な資産の運用が確実に資産を増やしていくことを表します。または、自分をサポートしてくれるスポンサーの出現により、安定した経済活動ができることを表すこともあります。あなたは昔からある老舗店や、信頼できる宗教組織から利益を得ることができるかもしれません。また、このカードは物質的な事柄に集中するのではなく、精神的な部分にもっと注意を払うことを提案することもあります。目先の利益よりも信頼関係に重きを置くことで成果を上げることができます。

逆位置での意味

法王(司祭・教皇)の逆位置は、あなたが素直になって心を開くことで、運気が好転していくことを説いています。プライドやメンツを気にするあまり、本意じゃないのに妥協しようとしていたり、中途半端なままやり過ごそうとしていませんか?そんな時は自分の心の声(良心)に耳を傾けて、自分の心に矛盾が生じない決断を選択するべきです。

あなたに助言やアドバイスをしている人がいたとして、その人の言う通りにすることが正しいのか考え直す必要があるかもしれません。その人の行いや言動に対して、心から敬意を払えるかを自問自答してみてください。偉そうなことを言ってきたり、自分を大きく見せようとしている人は自信がない人で、あなたを利用しようとしているだけかもしれません。冷静になってみてみると大した人間じゃないことがわかるはずです。

自分にいい影響を与えないとわかっていながら、組織やコミュニティーから抜け出せずにいたり、嫌われるのを恐れて本音を言えずにモラルに反することを実行しようとしていませんか?もしそのような状況にいるのなら、勇気を持って断ち切る必要があります。甘い顔をしていると近い未来、大きなしっぺ返しをくらうことになるでしょう。相手がつけあがらないように、厳しい態度で接することを心がけましょう。

このカードは自分の意に反することがあるのなら、自分に正直になることが大事だと伝えています。

あなたは、周りの人を信頼しすぎているかもしれません。信頼に値する相手なのかを冷静な目で見極める必要がありそうです。また、カード番号が「5」というのは、五行や五感を意味しますので、何かが欠けてバランスが崩れていることを警告しているかもしれません。

法王(司祭・教皇)の逆位置は、伝統的なルールやスタンスに凝り固まりすぎているのではないかと警告している場合もあります。法の精神よりも、文言や言葉に縛られすぎている傾向があるかもしれません。

リーディング例

愛に関して占った場合
法王(司祭・教皇)の逆位置は、社会的、宗教的、文化的なことに逆らうことを表しているので、パートナーが既にいる人を好きになってしまったり、周囲から反対されるような恋愛をしてしまうことを暗示します。パートナーとの関係が人に言えないものだったりして後ろめたさを感じているかもしれません。この恋はこのまま進めていいものか、一度立ち止まって考え直す必要があります。もしくは、二人の間において力関係に偏りがあったり、正い判断力がない、独断的な関係を表すこともあります。
勉強や仕事に関して占った場合
法王(司祭・教皇)の逆位置は、職場の派閥争いに巻き込まれたり、仕事ができない上司に振り回されることを暗示します。周囲の状況を把握した上で注意深く行動することで余計なトラブルに巻き込まれるのを防げます。自分自身が私情を挟んで周りをかき乱すようなこともあるかもしれないので、注意しましょう。また、自分の地位や権威に関して不満があることを意味することもあります。もしくは勤めている会社がブラック企業だったり、自分に対する評価が正当ではないと感じているかもしれません。
お金に関することで占った場合
法王(司祭・教皇)の逆位置は、素人判断により損失を出してしまったり、リスクの考慮漏れがトラブルを招く危険性を暗示します。良かれと思ってやったことが裏目にでることもあります。損失を最小限に抑えるために、楽観視することなく計画を立てましょう。お金に関する不正を働く可能性があることも示唆しています。また、物質的な世界を拒否して、霊的な道をたどることを意味する場合もあります。

カードを読み解くポイント

法王(司祭・教皇)は、神に代わって人々を導いてくれる存在です。主に精神的な面での指導者的役割を担います。そのため、目上の人から解決策の手がかりとなるヒントを得ることや、宗教的・精神的な意味で導きを得ることを暗示します。基本的には良い助言を得られることを意味しますが、あくまでも精神的な面においてです。現実的な支援をしてくれるのは4.皇帝の方でしょう。

一方で、自分が信頼を置いている特定の人物や組織を頼りすぎて「依存」となっている場合もあります。考え方が頑なになり、視野が狭くなっているかもしれません。例えば、今の地位を守れるなら…というふうに、偏った狭い考えです。そういう意味で法王(司祭・教皇)のカードは、自分の価値観の根本となるものを見つめ直す必要性を示唆しています。

カードの意味を更に深く考察

法王(司祭・教皇)のカードは、父親の意味を持つ4.皇帝と似ている部分があります。「教皇」という言葉は「父」を意味し、ローマ皇帝と同様に「教皇」は子どもたちを導く偉大なる父親として考えられていました。4.皇帝は物質的・現実的な安定を与え、子どもたちの成長を支援しますが、法王(司祭・教皇)は霊的な教えを説いて精神的な成長を後押しする役割をにないます。4.皇帝は国家、法王は教会というそれぞれの分野において、どちらも父親としての役割をにないます。

司祭職は人々と神を仲介する存在です。日本において神々との交流を手伝ってくる存在として挙げられるのは、神社で働いている神職の人たちでしょう。その中のトップが神主さんです。すべての人たちの内面には霊的なものが眠っていると思われますが、神職の人たちは、なんらかの目覚めや導きによって私たちのかわりに神々と対話し、人としての正しい生き方を導いてくれます。

ただ、法王(司祭・教皇)を重ねる人物は、必ずしも神職の人ではなくでもいいのです。自分が敬愛し、心酔するアーティストや漫画家や作家にも法王(司祭・教皇)を重ねることはできます。それは、彼らもまた、神からの啓示を受けて世の中に還元しているからです。絶大な人気を誇るアーティストやハリウッドスター、芸術家や映画監督など、名作を世におくりだす人たちは、「どうしたらあんな素晴らしいものができるのか?」という呼びかけに対して、口々にこう言います。「○○の神様が降りてきてくれた」と。あれはまさに、神からの啓示・メッセージを受け取り、制作物を通して私たちに神が語りかけてくれているのと同等です。このように、人はみな、生きていく上で何かしらの精神的導きやヒントを常に求めているものです。そういった意味で、法王(司祭・教皇)のカードは道標となりえます。

道標となる人物は、それなりの地位を得ることで発信することが可能になります。信頼できない人の言うことには誰も耳を貸しませんよね?しかし、権力は、持たされた人物にそれなりの人格と精神力がないと、いとも簡単に腐敗の道をたどりかねません。法王(司祭・教皇)の宗教的制度は4.皇帝の社会的制度と同じように、権力自体が目的となってしまえば、人を従えることに重きをおいてしまい、強制的で傲慢な教育になってしまうのです。人を洗脳する道具として地位を利用することに発展してしまう恐れがあるのです。実際に、たちの悪い宗教団体へ加入してしまい、人生を棒に振るうような経験をした人はたくさんいると思います。所属している団体の方向性が「おかしな方向へ向かっているな…」と早い段階で気づくためには、組織に依存せず、自分の進むべき道の最終決定は自分自身で下さなければいけないという意識を持っておくべきです。それは、自分自身の中に神を持つということでもあり、自分を信じることが一番だということです。

ウェイト版の絵柄から読み解く

法王(司祭・教皇)のカードに描かれているふたりの信仰者は、教会(オカルト結社)への入団を許可されているものでしょう。ふたりは法王のことを尊敬し、今まさに説教されているのか、教育を受けているのか、法王に少しでも近づけるよう必死で学ぼうとしています。

このカードに描かれている3人の人物の配置は、2.女教皇(女司祭)のカードに描かれている”女性と2本柱”の構図に近く見えます。これは、法王(司祭・教皇)のカードに続く6番目のと7番目の7.戦車の2枚においてはそれぞれ、「6番目:恋人たちの上にいる天使」と「7番目:黒と白のスフィンクスの上の戦車に乗る人物」という形で、大アルカナにおいて繰り返される構図です。こうした三者からなる絵の構成は、キリスト教の教えでもある”三位一体”や、東洋学の教えにある”陰陽三元論”の図式と深く関係しているようです。

法王(司祭・教皇)の背景色「白」は神の世界を表しています。法王(司祭・教皇)はふたりの信者よりも一段高い位置に腰掛けており、威を表す冠をかぶり、王笏(おうしゃく)を手にしています。また、2人の信者よりも大きく描かれており、権力の大きさや偉大さを象徴しています。

法王(司祭・教皇)は信者のふたりに神の世界への扉を開くための鍵を差し出しています。しかし、信者のふたりは恐れ多くてその鍵に手を伸ばせないでいます。ここではあまりでしゃばったりせず、ただこの教会でのルールを遵守した上で活動することを良しとされているからでしょう。