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女教皇(女司祭)(The High Priestess)

このカードには、聖なる書物の秘密を託され、その秘密を守り抜く神秘的な女性が描かれています。カードナンバーである「2」には「陰陽」の「陰」が当てはまります。静かで控えめな女性は、溢れる知性と純粋な心をまとって宇宙の真理を解き明かします。

キーワード

正位置 – Upright –
神秘/インスピレーションの重要性/受動的/知性/叡智/学問/普遍的/精神性の高さ/二元性/純潔/バランス/秘められた真理/神聖/教育/内面を見る/直感的な気付き/潜在的な可能性
逆位置 – Reversed –
潔癖/デリケート/神経質/知識に深みがない/移り気/幻想への逃避/本心を隠す/暴露する/秘密を守れない/問題が明るみになる/うぬぼれ/表面的なことに惑わされる
英単語
Mystery. Hidden knowledge. Emotions. Wisdom. Sound judgment. Common sense. Feminine power. Serenity. Penetration. Foresight. Intuition. Initiation. Mental power. Silence. Perception. Self-reliance. Sister. Impassiveness. Quiet assertiveness. Imagination. Platonic relationships. Love of books. Shallowness. Obsessiveness. Spirituality. Passive–aggressive type. The inner life.
人物像
静寂に富み、心の声に耳を傾け真相を探求する女性。聖職者。処女。

ケース別キーワード

case正位置逆位置
恋愛プラトニックな恋愛/受け身な恋愛/恋愛に不器用/気持ちを上手く伝えられない/体の関係へのハードルが高い/控えめな態度/スローペースな恋愛/一途な気持ちを貫く/謎めいた相手/じれったい関係 積極的になれない/愛情表現が苦手/素直に甘えられない/性的なことに対して消極的/片思い/心を閉ざしてしまう/恋愛から距離を置く/性的衝動をコントロールできない/猜疑心が強い/片思いのまま終わる/なかなか気持ちが伝わらない
仕事秘書や事務職で能力を発揮/秘密を守る仕事が適職/コーディネーターやカウンセラーに向いている/研究熱心/バランス感覚が仕事に活きる/出版業界/医療機関/研究職・技術者に向いている/真剣な態度/縁の下の力持ち 引きこもって仕事をしがち/職場にイマイチ馴染めていない/社会不適合気味/興味が持てない/真面目すぎて堅物/認められにくい職場/注意力散漫で集中できない/見えを張って失敗する/下手なプライドが邪魔する
その他書物を通じて知識を得る/教養を身につける時期/勉強が身になりやすい/受動的な行動(人の話を聞く)が吉/理解力が抜群/習得するスピードが早い/バランス感覚に優れている/意外なタイミングで未来が見えてくる/静かに深く考える/内省や瞑想/思慮深い配慮ができる/女性的な直感の強みを活かす 打ち解けず頑なに拒絶する/心を閉ざす/繊細になりすぎる/感情の浮き沈みが激しい/一人で抱え込みすぎる/潔癖症/閉鎖的/積極的になれない/人を寄せ付けない/極端な行動で周囲を振り回す/神経質な発言/うわべだけにとらわれる/物事を大げさに捉える/被害者意識が高くなる

正位置での意味

女教皇(女司祭)の正位置は、自分の内面を見つめ直し、自分らしさや直感を信じることの大切さが、正しい道を選択できるヒントだと説いています。あなたが今持ち合わせている叡智は、無限の可能性を秘めており、他のカードとの組み合わせ次第で、積極的に発揮するべきかもしれないし、うちに秘めることが重要であることもあります。

今のあなたは、神からの導きを得られやす状態です。第一印象や直感を大事にすることが、今後の幸運を引き寄せる鍵になるかもしれません。ただ、神に忠実な行動を取ることが重要となりますので、感情的な言動を慎み、毅然(きぜん)とした態度で粛々(しゅくしゅく)と行動しましょう。人に言いふらしたり、大騒ぎをするなどして軽んじられる言動は慎むべきです。知的で重みのある発言を心がければ、いい結果を得られます。

バランスの取れた知性により成果を上げることができますので、誰に対しても公平に、偏りのない対応を続けながら内なる声に耳を傾けましょう。自分の感性を高めるための勉強も適している時期です。ただし、知識ばかりが先立って論理的な解釈に基づく判断は男性的であり、そういった判断はするべきではありません。それよりも、女性性を活かした直感によって、物事の核を見極めた上での決断の方がよりいい道を選択できるでしょう。

女教皇(女司祭)は、控えめで内向的な女性を表します。学びを通じて外界と関わるのは良いですが、直接的な交友や外交行動は控えめにするのがいいでしょう。

リーディング例

愛に関して占った場合
女教皇(女司祭)の正位置は、プラトニックでじれったい関係を表したり、なかなか進展しない恋愛を暗示します。一度理解し合えば固い絆で結ばれますので、焦らず大事に愛を育みましょう。一人の人を一途に思い続けることや、うまく情熱を表現できていないことも示唆します。また、直観的で精神的な人物を表すことがあります。あたなと相手の関係は真剣味が感じられるでしょう。謎めいた人に惹かれることも示唆します。
勉強や仕事に関して占った場合
女教皇(女司祭)の正位置は、ひとつのことを追求していく能力と、真剣な態度でとりくめる姿勢があることを暗示します。じっくりと取り込んでいくことで、確実な成果を手にできます。また、「見えない世界」に目を向け、あなたの精神的な知識と霊的直感を活用できることを示唆しています。心理学、ホリスティックヒーリング、スピリチュアルパスなど、内なる力、直感、神秘性を活用する分野で働くことも意味します。
お金に関することで占った場合
女教皇(女司祭)の正位置は、堅実な出費と計画的な貯蓄を管理する能力があることを暗示します。無理のない範囲で投資するなど、手堅い運用ができる時です。もしくは、あなたは物質的なこと、金銭的な分野にあまり興味がないかもしれません。今は金銭的なとこよりも、精神を成長させてくれる大事なことに目を向けているのではないでしょうか。なお、女教皇(女司祭)は、お金が関係する問題において、あなたの直感を信じることを勧めています。

逆位置での意味

女教皇(女司祭)の逆位置は、冷静となるべき局面で感情的になっていたり、性的衝動を抑えられなくなっていることを意味します。もしくは、人生における限りない可能性が、受動性により封じられていることを意味しています。

神経質になりすぎて周囲をピリつかせていないか、自分の言動を省みる必要がありそうです。自分の直感やインスピレーションを信じて行動的になるタイミングなのか、自分と向き合いジャッジする必要があります。

繊細で感受性が強くなっていることから、思い込みが行き過ぎてしまい、空回りしたり、誤解してしまうなどの失敗もありえます。また、深い見方ができず表面的なことに気を取られてしまうなど、思慮深さがかけていることも考えられます。そのことで、相手が言うお世辞を真に受けてしまい、うぬぼれてしまうことがあるかもしれません。

自分の言動に責任を持ち、心の波を落ち着かせた上で、バランスの取れた行動を取るように心がけましょう。

感情的になると良い結果になりません。一度頭を冷やして自分と向き合うことが大事です。身近な人で知的な女性や冷静なアドバイスをくれる人に相談をするのもいいでしょう。

リーディング例

愛に関して占った場合
女教皇(女司祭)の逆位置は、猜疑心(さいぎしん)が強すぎるあまり考えすぎてしまい、直感力が鈍っていることを暗示します。マイナス思考な視点で相手を見てしまい、なかなか心を開けないのかもしれません。また、あなた(またはパートナー)は秘密を抱えている可能性があります。このカードは、孤独や親密な人間関係から距離を置くことを意味する場合があります。勇気を出して、自分から相手の胸に飛び込むのも良いかもしれません。
勉強や仕事に関して占った場合
女教皇(女司祭)の逆位置は、準備不足や実力不足からくる不安によって、集中できず失敗してしまうことを暗示しています。色々な邪念が仕事を妨げているのではないでしょうか。そんな時は、日常生活の忙しさから一度離れる機会を作ると良いかもしれません。瞑想や霊的なひらめきを得るための行動に時間をさく必要があるかもしれません。スランプに陥っていたり、仕事に対する疑念が持ち上がり、実力を発揮しづらい状況を暗示することもあります。
お金に関することで占った場合
女教皇(女司祭)の逆位置は、ケチになりすぎてお金を出し惜しみしすぎていたり、お金への執着が強くなっていることを暗示します。安いものをついたくさん買ってしまって、結果的に出費がかさむこともありそうです。あなたは金銭的な問題から目をそむけているかもしれないし、人の財布をアテににしているかもしれません。出すべきところはきっちり出して、卑しい人だと思われないようにしたほうが良いでしょう。

カードを読み解くポイント

女教皇(女司祭)のカードは、表から見えない内包された秘密や神秘を暗示するだけに、解釈が難しいものです。そのことを念頭においた上で、このカードが示すものを無理して明確な言葉にしようと思わないほうが無難です。まずは自分の心の声に耳を傾け「どうするべきか」よりも「自分は何を感じていて、自分はどうしたいか」というふうに、状況や環境ではなく、自分主体で方向性を見定めるようにしましょう。そうすることで、自然と答えが見えてきます。

このカードは、表面化していない何かがあなたの潜在意識の中に眠っていて、まずはそれを見つけてあげて、どう形にしていくのかをじっくり考えることの大切さを説いています。

未来に対する不安や恐れを感じているのなら、まずはその感情に蓋をするのではなく、感じきることが重要です。感情はきちんと感じてあげることで、本当の自分が見えてきます。負の感情を”悪”とせず、受け入れて感じであげることが、あなたの心を開く解きほぐすことにつながります。

カードの意味を更に深く考察

女教皇(女司祭)のカードは、キリスト教の伝承にある「女教皇ジョアン(ヨハンナ)」に重ね合わさられることが多いです。修道士になりたいと願う女性が男装して教会に潜り込み、類まれない努力により”教皇”という地位にまで上り詰めるのですが、生理が始まる、あるいは妊娠するなどの女性特有の現象が起こったことで正体がバレてしまうというお話です。この話はあくまで伝説で、実話ではないとされていますが、実在する人物を元に作成されたとも言われており真相はわかりません。秘密を持ち続ける神秘性や、大人の女性に進化していくことがキーポイントとなるカードと言えるでしょう。様々な伝説が語り継がれるこのカードは、まさに神秘的で、表からは見えない”秘められた真理”を暗示しています。

昔から女性は神秘的で、男には理解できない存在として恐れられており、男性社会の歴史においては、男性以上に活躍して成果を上げた女性のことを「魔女」だと疑いをかけ、火あぶりの刑などにもしていました。過去を振り返ってみても、男性だけが主導権を握る政治や国の歴史は、とても強引かつ非常で、暴力的な印象を持つ事件や出来事が目立ちます。そんな時代の中で悲惨な経験をした人々は、次第に、世の中に男性的な力強さ・リーダーシップ以外にも、女性性(愛、慈悲、優しさ、調和など)を強く求めるようになり、ついに聖母マリアはイエス・キリストと同等の地位に就くなど、女性の活躍が認められるようになっていきます。現代は女性が大統領になることも珍しくなく、女性が活躍できる社会になっていますよね。女教皇(女司祭)は、女性が社会的に認められることの始まりを予兆するカードと言えるのかもしれません。

女教皇のカードは、”陰”の部分をネガティブではなくポジティブな意味として受け入れ、受け身でいることの大切さや女性特有の奥ゆかしさや神秘性、直感(インスピレーション)力の強さを信じることが大事だと説いています。

女教皇(女司祭)のカードは、女性性の中でも主に”闇や神秘性、霊的な部分”に焦点をあてており、女性性の中にある陰陽の内の「陰」の部分を強く象徴します。なお、女性性の「陽」を象徴するカードとしては3.女帝がふさわしいでしょう。

「女教皇(女司祭)」から3.女帝へのステップアップの場合にも、0.愚者のカードは重要な役割を担います。

なお、「女教皇(女司祭)」の受動性は1.魔術師の外向性と組み合わせることでバランスを取ることもできます。

ウェイト版の絵柄から読み解く

女教皇(女司祭)の両サイドにある白と黒の柱は、陰陽の2元性を表しています。柱の中にある文字列「B(ボアズ:Boaz)」は闇を意味しており、「J(ヤキン:jachin)」は光を意味します。それぞれの文字はタオの印の中にある丸点の模様を象徴しており、陰の中にも陽があり、陽の中にも陰があるという思想です。

頭の冠は高い地位を、胸にある十字架は聖職者を表しており、神に仕える者としての役割を果たす使命感の強さを象徴しています。

女教皇(女司祭)の膝の上には「Tora」と記された巻物がありますが、これは、英語表記で「トーラ(Torah)」とつづられるユダヤ教の律法書(モーゼの五書)を示唆しています。「Tora」という文字は神秘的な意味を含んでおり、神聖なインスピレーションからしか宇宙の真実に触れることができないことを表します。

女教皇(女司祭)が身にまとっている衣服は何重にも重ねられており、潜在的可能性が無限に隠されていることを表しています。

女教皇(女司祭)の後ろには、ザクロの模様が描かれたヴェールがあり、その先がどんな景色なのか見えないようなっていて神秘性を強調しています。このザクロは女性器を象徴しているとも言われていて、ヴェール全体を処女膜だと捉えることもできます。このことから、女教皇(女司祭)は”純潔な女性、真面目で堅物的な女性”という解釈もされます。純潔ではなくなることで特殊な能力が失われるといった神話や映画もあるほどに、ヴェールは新しい世界の扉であり、その秘密めいた魅力は人を引き寄せます。また、未知の世界に対する恐怖心を抱えている女性も暗示します。

ヴェールの向こう側には広い海が広がっていますが、水の流れは感情の流れを表していて、愛情と繁栄を象徴する3.女帝へとつながっているのです。

足元の波立つ衣服と足元で踏みしめている三日月は、月周期(月経周期)による変化を象徴します。